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令和3年 第1回定例会代表質問原稿

 質問原稿 

私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して大きく八点質問致します。質問に入ります前に一言申し上げます。  永田町の自民党本部四階にある幹事長室には、「宝積」と書かれた額が掲げられております。東北出身初の首相で「平民宰相」と称された原敬が揮毫したものであります。宝積の意味するところは、「徳を積む」「人に尽くして報酬を求めない」と解され、建物が落成した一九六六年からあったと言われています。本年は奇しくも原首相が東京駅で暗殺されてから百年になります。またこの当時は、スペイン風邪の流行とも重なり、原首相自身も感染しました。しかしながら当時の政治動向に関する第一級の史料と言われている「原敬日記」には、流行が政権を揺るがす事態となったとする記述は見られないのであります。交流があった当時ジャーナリストの徳富蘇峰は、「当面する諸課題を非常に鮮やかな手腕で解決し、蒸気機関車のように何時も気力が溢れ、断ずべきに断じ、決すべきに決した」と評し、作家の武者小路実篤は、「総理大臣として及第点を与える事が出来る人物は原敬以外一人もいない」と言わしめた人物であります。翻って長谷部区長は、区ニュース二月一日号区長コラムで、「年始のインタビューにおいて今年のスローガンを求められた際、前へとお答えしました。明治大学ラグビー部の礎を築かれた故北島忠治監督の有名な言葉です。困難や課題にひるむことなく前へ進めという、ラグビー用語にとどまらない、まさに人生訓です。(中略)この言葉を胸に、未来を見据えて渋谷区政を前へ進めていきます。」と述べられました。常にトップリーダーは孤独がつきまとい又打ち出した施策に対する批判も甘受しなくてはなりません。しかし真のリーダーは常に固い信念の下、ひるむことなく一歩でも半歩でもその歩みを進める気概が求められていると考えます。世界規模での危機的困難な局面であっても区政の遅滞は許されず、その中での予算編成は困難を極めた事は想像に難くありません。そのご苦労を労いますとともに、私共議員も区民代表としてこの事に思いを致し、苦労の末、結実した新年度の当初予算案を真剣に審議する覚悟であります。冒頭その事を申し上げまして、質問に入ります。

 まず始めに、令和三年度当初予算案について質問致します。二〇一九年十二月八日中華人民共和国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスは、翌年一月十五日にその症例が日本において初めて確認された以降瞬く間に世界中を席巻し、二月五日現在、新型コロナウイルスの感染者数は、世界全体で一億人を超え、依然として急拡大が続いております。我が国においては、感染者急増に鑑み、年明け早々に二度目の緊急事態宣言を発出し、更に今般、期間延長に踏み切りました。まさに新型ウイルスとの攻防は、一進一退の状況であります。かつて経験した事がないスケールでの非常事態は、当然のことながら、経済活動にも甚大な影響を与え続けております。スーパーや家電量販店など一部に堅調な業種が見られるものの、全体として、厳しさは続くものと考えます。こうした我が国の経済状態が、本区の歳入に多大な影響を及ぼすことは必至であります。この事は、令和三年度当初予算案に、基幹税である特別区税の歳入が、対前年度比で約三三億円、6.2%という大幅な減収となっているほか、他の歳入も軒並み減少を見込んでいる事に如実に表れています。リーマンショックさえも凌ぐ極めて厳しい財政見込みは、これまで定住人口の増加等を背景に、積極予算を基調としてきた長谷部区政にとって、初めて向き合う財政的難局と言わざるを得ません。他方、区の財政運営が難しくなろうと、区内に於ける感染拡大の抑止は、避けて通る事が出来ない最大かつ緊急の課題であります。ワクチン接種体制の早期確立はもちろんのこと、感染症弱者がいだく「接触の不安」を解消し、全区民の命を守る事に繋がる「非接触型社会の構築」と行動変容を促進することを急ぎ進めることを求めるものであります。さらに、事業者に対しては、事業継続に資する手立てを講じてはじめて、来街者を含めた本区に関わる全ての人に対して行動抑制を緩和することが出来、まちの活力を再生することが出来ると考えるものであります。このほか、子育て支援や福祉の拡充、産業振興、教育の充実、災害対策の強化、そして公有財産の老朽化対策、さらには東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催準備など、決して先送りの許されない課題が山積しています。感染症対策に当たりつつ、既存の課題にも幅広く対応しなければならない状況にありながら、歳入の急減に対処し、かつ行財政運営の持続性をも確保する予算の編成が、至難の業であった事は、冒頭申し上げました通りであります。

 コロナ禍において、保健所や給付金対応職員など、医療従事者同様最前線で活躍する職員の姿がマスコミによって広く世間に知れ渡り、感謝の輪が広まっている事は、携わる職員の方にとって励みになっている事と存じます。しかし、スポットが当たらずとも各部の職員がオール渋谷の職員として、区政の下支えをしたご苦労も相当なものであったと推察致します。「令和三年度当初予算案」の編成も又陰日向無く、職務を全うする使命感に溢れた職員達の精励恪勤の姿勢が結実したものと評価する次第であります。そこで区長に伺います。新年度は、例年にもまして限られた財源になるという強い制約の中で、財源調達の工夫や配分の仕方など来年度予算の特徴的な考えをお聞かせください。又区民の安全・安心を確保するため、最重要にして喫緊の課題である新型コロナ対策について、区長発言では、「渋谷区新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金」の設置について述べられ、今年度交付される新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充てて、スピード感を持って中小企業等の資金の工面を支援すると発言されました。そこで区長に質問致します。新年度の予算編成に当たり、感染拡大抑止の観点から本区独自の取り組みやどのような施策展開をされようと考えているのかお尋ね致します。さらに、コロナ禍により、渋谷区基本構想の実現に向けた実施計画の進捗にも何らかの影響が生じる可能性があるものと考えますが、渋谷区基本構想の実現に向けた今後の取り組みについての見解をお聞かせください。

 次に、新型コロナウイルスワクチンの接種体制について質問致します。イスラエルにおいては、現在国民の約四割が新型コロナウイルスのワクチン接種を少なくとも一回受け、特に優先対象となった六〇歳以上は八割の接種を済ましており、世界最速ペースで進捗しております。接種に関する初期データーでは、優先接種の対象とした六〇歳以上で、新規感染者が四割減った事を示し、ネタニヤフ首相は二月四日の閣議で「過去一六日間で六〇歳以上のうち重症で入院した人は二十六%減り、陽性と確認された例は約四十五%減った。」と述べられました。この事は、これから接種が始まる我が国において、激甚災害にも匹敵する未曾有の状況下、局面を打開する一縷の望みになるものと考えます。アメリカファイザー社によるワクチンは、年内には約一億四千四百万回分の供給を受ける契約を締結していると承知しております。後発のイギリスアストラゼネカ社のワクチンについても、今後約一億二千万回の供給がされる予定との事で、いよいよ国内の新型コロナウイルスワクチンの供給体制が確立され、ワクチン接種の開始が待たれる段階となりました。他方このワクチン接種は地元自治体が担う事になりますが、ほぼ全ての住民を対象とする過去前例のない大事業になるだけに接種会場や医療スタッフの確保など課題は山積しているものと考えます。すでに新聞報道では、厚生労働省もモデル事業として紹介している練馬区や昨年十月から検討を開始し、一月に担当部署を設置した足立区など、それぞれ工夫を凝らした取り組みが紹介されております。十七日より、医療従事者への接種が開始されておりますが、その後の区民への接種については、国や関係機関との連携を十分に図り、円滑にスピード感を持って行われるよう、本区の接種体制をしっかりと構築するよう希望するものであります。そこで区長に質問致します。ワクチンは、全国民分を一度には確保できず、国から都度、区市町村に供給し、接種順位を定めて行う見込みと承知しております。医療従事者への接種が終了した後、区民の接種はいつ頃から開始され、どういった順番で接種できる体制としていくのか、区民への周知方法や想定する接種を完了する時期などまずは接種に関するロードマップをお示し下さい。次に、希望される方が、なるべく早く、身近な場所で安心して受ける体制整備が必要と考えます。接種にあたって、区長発言では、公共施設を活用して区内四カ所の集団接種会場を設ける方向で準備を進めると発言されましたが、具体的に想定している集団接種会場はどこを予定しているのか。さらには、集団接種会場に多くの区民が押し寄せ密になったり、待ち時間が長くならない為に、事前予約や高齢者に対するサポートなど工夫された接種手順の取り組みはあるのかお尋ね致します。

 次に高齢者福祉について質問致します。はじめに、高齢者デジタルデバイド解消について質問します。先般、行われた令和三年度渋谷区当初予算案の記者会見においては、新年度の目玉事業の一つである、高齢者デジタルデバイド解消事業の説明がされました。区長からは、ウィズコロナ時代に求められる新しい生活様式では、スマートフォンなどデジタル機器が、生活の質を向上させる重要な役割を担うと期待される一方で、デジタル機器による恩恵に格差が生じたり、便益が行き渡らない人々が発生しないよう誰一人として取りこぼさないための施策として、令和三年度より高齢者デジタルデバイド解消事業を開始するとの説明があった事は承知しております。この事業については、新聞報道やテレビ、インターネット上など、広く取り上げられ大きな反響がありました。二月三日の新聞報道では、区内高齢者に無償で貸し出すスマートフォンは約三〇〇〇台で異例の規模となること、通信・通話料は区が負担するとしていること、LINEとLINE Payを使って住民票の写しが請求できることなどが報道された一方、大手検索サイトの書き込みでは、批判的なコメントもあったことも承知しております。しかし本区は、平成二九年に国や全国の自治体に先駆けて全区立小中学生にタブレット端末を貸与しました。それから二年後の令和元年にようやく国は、GIGAスクール構想として、児童・生徒一人一台のPC端末の環境構築に動き出し、今年度予算化されたことはご案内の通りです。このときすでに本区では、今年度タブレット端末を次世代機種に更新を行っているのであります。こうした環境整備があったからこそコロナ禍においても教育現場では、オンライン授業等、スムーズに移行できたのではないでしょうか。更に言うならば、ICT教育やプログラミング教育分野では、全国自治体の中ではトップランナーであります。まさに未来を担う子ども達への投資が教育現場の混乱を回避せしめたのであります。そして今回、高齢者デジタルデバイド解消へとシフトアップしました。必ずや今回の施策が、未来への投資となり、非接触型社会の構築に向けて、防災情報、高齢者の見守り、さらには、健康増進の大きな助けになると確信するものであります。そうであるからこそ我が会派は、再三この問題を取り上げ、後押しをして参りました。区長は前定例会で、高齢者デジタルデバイド解消は喫緊の課題として捉え、スピーディかつ丁寧に対応していくと答弁されました。そこで質問致します。本事業について、現時点での進捗状況並びに、本区が目指すべき事業の姿について区長の所見を求めます。

 次に介護保険について質問致します。超高齢社会と言われる中、本区の高齢者人口も年々増加しており、今後、団塊の世代が、七五歳以上となる二〇二五年や、団塊ジュニア世代が、六五歳以上になる二〇四〇年では、人口構造の変化や高齢化の更なる加速が予想されています。こうした将来も見据えた上で、区長発言にもありましたが、来年度からの第八期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画案では、「いきいき、あんしん、ささえあいのまちづくり」を基本理念として、地域共生社会の実現などを施策の柱とした様々な取り組みのほか、デジタルデバイド解消事業など先進的な取り組みも盛り込まれていると承知しており、社会情勢の変化に対応しながら実効性のある取り組みを是非進めて頂きたいと存じます。こうした計画の中で、第八期計画期間における介護保険料について、本定例会に提出されている条例改正案では、低所得段階を中心に一部金額の引き下げがされていることや介護給付費準備基金の活用などにより、全体の保険料基準額も現行の金額が維持されると理解するものであります。介護保険料は、高齢化の進展に伴う介護給付費の増加に合わせ、制度発足以来、金額の上昇が続いてきましたが、新型コロナウイルスの影響が高齢者やそのご家族の生活にも及んでいる現在の状況下で、今回の改定は、高齢者の生活や負担軽減に寄り添った内容であると特筆すべきもので評価するものです。一方、介護保険料は、介護や支援が必要な方に継続的にサービスが提供されるための重要な財源であり、金額の設定に当たっては、今後一層厳しさを増す本区の財政状況や、次世代への負担、更に介護給付費準備基金の取り崩し状況なども考慮して、将来を見据えた視点も重要であると考えます。そこで質問致します。本区での今後の介護保険事業の見通しを含め、第八期介護保険料の改定について区長の見解をお聞かせ下さい。

 次に子育て支援に関して質問致します。最初に保育についてであります。長谷部区長が就任された平成二十七年当時は、社会環境が変容し、女性の社会進出など、子どもを取り巻く社会状況の変化に伴い、保育需要が急速に高まっておりました。象徴的な事象として、「保育園落ちた日本死ね!」とのブログが発信され、この事は国会でも取り上げられ国を挙げて待機児童対応に本腰を入れた事はご案内の通りであります。本区においても、翌年の四月には待機児童数が三百人を突破し、まさに待ったなしの状況でありました。このような社会状況の中、待機児童解消を区の最重要課題と捉え、今日までスピード感を持って全力で取り組んでこられた事は、衆目の一致するところであります。都心区に位置する本区において保育園用地を確保する事すらままならない環境下、既成概念に囚われる事無く賃借物件や公園など区有地の活用をはじめ、あらゆる資源、手法を駆使して保育園の整備に邁進され、認可保育園三七園の新設、三千人の定員増を成し遂げたわけであります。我が会派としても多くの保護者の切実な声を受け、全力で後押しをさせていただきました。これがもし仮に、公立認可保育園の増設だけに固執する日本共産党会派の主張の通りにしていたとするならば、未だ何百人もの子どもが保育園に入れず途方に暮れた保護者が区内各所に溢れていたものと確信致します。更に言えば民間活力による多様で先進的な保育も保護者の皆様は選択する事が出来なかったものと確信するものであります。先ほど長谷部区長は、「いよいよ待機児童解消のめどが立った。」と発言されました。新年度に向けての入園選考も進められ、確定は新年度ギリギリになる事は承知しておりますが、今後の待機児童ゼロの見通しについて所見を伺います。又併せて、区長発言では、保育環境の整備や保育の質の向上についても発言されております。それらを踏まえた今後の取り組みをお示し下さい。

 次に、「渋谷区子育てネウボラ」における虐待予防と児童福祉を担う職員の資質向上について伺います。今年度は、世田谷区・江戸川区・荒川区が児童相談所を開設し、東京都から独立して、児童虐待をはじめとする独自の児童福祉体制が始まりました。これら三区とも児童人口の規模などに違いはあるものの、虐待等で保護を要する子どもが生活する一時保護所を含む施設を整備し、百名前後の専門職を配して運営に当たっていると承知しています。

 他方新聞報道によれば、警察庁は二月四日、昨年一年間の犯罪情勢統計(暫定値)を発表した中で、児童虐待の疑いがあるとして、全国の警察が児童相談所に通告した一八歳未満の子どもは前年比8.9%増の十万六千九百六十人に上り、統計を取り始めた平成十六年以降、初めて十万人を超えたとの報道がありました。続けて、増加の要因として、新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅時間が伸びた事を挙げております。そうであってみれば、虐待対応は区政に於ける最重要課題と認識するところであります。しかしながらこれまでも、特別区の児童相談所設置にあっては、施設整備に係る財源や高い専門性を有する職員の人材確保と育成が最大の課題である事は、我が会派は幾度となく申し上げて参りました。こうした状況下ようやく国の動きとして、一月末に厚生労働省に設置された専門会議の意見として、二〇一九年度から二十二年度までの四年間、全国で、約二千人の児童福祉司増員と資質の向上が目標と示されましたが、令和二年四月現在でも51%が三年未満の浅い経験者である事など厳しい現状であります。制度設計が緒に就いたばかりであったとしても児童福祉司をはじめとする専門職員は、子どもの尊厳と命さらには暮らしや将来の生き方に大きな影響を与える担い手であり、高い専門性と資質の向上及び、ソーシャルワーク能力の向上など本区独自でも対応すべき轍鮒の急を要する課題と認識するものであります。本区では、児童相談所の設置を視野に入れながらも「渋谷区子育てネウボラ」により、妊娠期から保健師が支援を行う事で、虐待の芽を摘み、虐待そのものを起こさせない取り組みが並行して進んでいると承知しています。又昨年末に出された東京都児童福祉審議会の提言でも、東京都児童相談所と各区子ども家庭支援センターとの更なる連携強化を求めていると仄聞しております。まさに我が意を得たりとの思いを致すところであります。そこで、区長に質問いたします。すでに練馬区は、東京都児童相談センターとの共同モデルを実施して児童相談所のサテライトオフィスを子ども家庭支援センター内に設置する事で児童相談所の職員との連携を強化して、効果を上げていると理解しております。本区においても、この共同モデルを参考に児童相談所との連携を強化する事は、「渋谷区子育てネウボラ」で児童福祉を担う職員の資質向上にも繋がるものと確信致します。「渋谷区子育てネウボラ」を推進していく上で、虐待予防と職員の資質向上について、今後の取り組みをお聞かせ下さい。

 次に、本区の防災体制について質問致します。二月一三日深夜福島沖を震源とする地震が発生しました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復旧を願うものであります。最大震度六強を観測し、地震の規模を示すマグニチュードは、7.3と推定されるとのことであります。驚くべく事は、これが奇しくも一〇年前に発生した東日本大震災の余震であるとのことで、いかに自然災害のスパンが長いか思い知らされました。更にさかのぼりますと、関東大震災からまもなく一〇〇年になります。防災対策は、こうした様々過去の震災体験から得た教訓を活かしながら近年の状況を直視して、常に体制の見直しが求められていると存じます。令和元年一〇月に発生した台風一九号をはじめとした風水害の激甚化、更に今後予測されている大災害の発生への早急な防災対応の強化を講じる必要があります。昨年第三回定例会に於いて、我が会派より、避難所運営の在り方について質問致しました。自主防災組織の高齢化に伴い、避難所運営に支障が出ている事を指摘し、さらに町会連合会から提出された令和三年度の予算要望でも、「避難所の運営については、現場リーダーが不可欠であり、区職員にお願いしたいとして、区職員のリーダー養成に大至急取りかかるよう求める」とする内容でありました。これに対する区長答弁として、「今年度は、避難所参集職員を増員し、それに加え水害時の避難所では区の管理職員も派遣し、統制のとれた運営を図り、地域の自主防災組織の活動をより強力に支援する体制を構築していきます。」と発言されました。避難所運営に必要とする区職員は、すぐ駆けつける事の出来る近さで、出来れば区内在住であれば最善である事は、自明の理であります。一方(仮称)笹塚防災住宅は、旧笹塚敬老館跡地に、昨年八月から解体工事が始まり、本年の八月に竣工すると承知しています。現在、区内在住の職員比率が、全職員の十%程度と言われているところですが、この新しい防災住宅の整備により、どの程度防災力向上に繋がっていくのか区長の所見を求めます。

 次に、街づくりに関して質問致します。最初に、ササハタハツまちづくりについて質問致します。笹塚、幡ヶ谷、初台駅周辺のエリアがつながり合い未来を創造していく為に、公民連携による共創のまちづくりプラットホームであるまちラボによる取り組みが、昨年七月より渋谷区、京王電鉄、渋谷未来デザインの連携によりスタートしました。このまちラボは、平成二九年度からのフューチャーセッションで生まれたササハタハツプロジェクトを始め、地域住民を主体としたササハタハツに関わる人々による市民共創プロジェクトを支援していますが、これまでの取り組みにより、玉川上水旧水路緑道の再整備案として、結実したと考えます。区長答弁では、「この緑道を区民の皆様が誇りを持てるような、渋谷区のシンボルとして参ります。」と述べられているようにまさに、こうした市民共創プロジェクトを通じて、地域住民による街の担い手が輩出されるとともに、地域コミュニティが活性化される事により、更なる地域住民主体のササハタハツまちづくりが発展する事を期待致します。昨年第一回定例会において私から、まちラボとしてどういった取り組みを展開していくのかとの質問に対して、区長は、「持続可能な運営の為の収益を確保する仕組みを構築すると共に民間企業と連携して活動拠点の設置計画を具体化していく」と答弁されました。そこで質問致します。まちラボが持続可能な運営をする為の仕組み作りについての検討状況と、活動拠点の配置計画の具体化について今後の展望を伺います。

 次に、笹幡初本、真打ちの本町であります。(仮称)本町地区防災都市づくりグランドデザイン以下本町GDと略しますが、本町GDについて質問致します。本事業は、本町地区における防災まちづくりの次なるステップとして、包括的な防災まちづくりの施策を、以下の事項の検討を進めるとして、一.主要生活道路の拡幅事業に向けた土地の機動的な用地取得。二.土地交換や区画整理等による未接道敷地の解消を促す土地利用の再編。三.地区内の区有地活用や公共施設の再編等を含めた土地利用の総合的な事業推進。さらに、環境や地域コミュニティにも配慮した施策として展開する為、地域住民や本町まちづくり協議会との意見交換を進めながら総合的なグランドデザインとして策定すると年度当初示されました。また実施計画二〇二〇においては、今年度策定、令和三年度以降リーディングプロジェクト等の実行となっております。先日、議会に報告された本町GD素案をみますと、策定により、本町に関わる全ての人たちが、こんなまちに住みたい・訪れたい。関わりたいと思うような将来像を共有し、将来像実現に向けてやるべき事を自分ごととして捉える事で、まちづくりの推進力とすることを目的としております。対象とする計画範囲は、渋谷区本町一〜六丁目全域(99.2ha)と定め、計画期間は、令和三年度から概ね一〇年間としています。素案では、三つの視点(安全・安心・賑わい)を定め分科会を五回開催し、整理した実施方針を五つのまちづくり戦略と位置づけました。さらに、まちづくり戦略を推進していく為の実行プログラムとして八つのプログラムを設定し、優先度に応じて、「リーディングプロジェクト」と「プロジェクト」に分け、先行して実施していく「リーディングプロジェクト」を三事業示しております。即ちリーディングプロジェクト一が、防災ネットワーク構築のための主要生活道路整備、二が、子どもたちによる「本町子どもまちづくり会議」の設立及び三として、旧神田川支流遊歩道(レッドカーペット)整備事業の三事業であります。新年度は、策定された計画に基づき取り組まれると思いますが、具体的な取り組み内容等本町まちづくりに懸ける区長の想いをお聞かせください。 

 次に、教育に関して伺います。まず始めに、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館及び松濤美術館運営の一体化について区長に質問致します。両館の沿革をひもときますと白根記念渋谷区郷土博物館・文学館は、本区区議会議員として区政伸展にご尽力なさった故白根全忠氏が昭和四九年に、土地、建物を遺贈され、翌年に、白根記念郷土文化館が開設されました。その後平成一七年に、文学館を併設し現在に至っております。館の構成は、本区に関係する歴史民俗、考古学などをテーマにした展示がされており、一階は、企画展示のコーナー、二階は、本区の歴史をいくつかの時代に分け紹介しており、地下一階は、本区に関係する作家についての展示といった内容になっております。一方、松濤美術館を運営する、渋谷区美術振興財団は、昭和五六年に東京都教育委員会の認可を受けて財団法人渋谷区美術振興財団として発足し、その後、平成二二年に公益財団法人へ移行しました。館の運営は、巡回展示等の企画展に主軸を置き最近では、日本文化の至宝である浮世絵の展示や宝飾品・工芸品である真珠の展示など内外から高い評価を博した企画が印象に残っております。我が会派も渋谷区民が、幅広い知識と教養を身につけ、もって文化の普及と増進に寄与するものとして両館の運営をより区民ニーズに合う活動になるよう応援して参りました。両館とも区民の文化振興に寄与する施設ですが、全く違った沿革をたどってきた両館を一体的に運営するという着想にまず瞠目した次第であります。確かに、松濤美術館は、建築家白井晟一氏の設計によるもので、建物のユニークさ又企画力の高さから本区以外からの来場者も多いと承知しております。しかし、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館については、区民の認知度は今ひとつで、何回か視察で訪れましたが、ナウマン象の化石など同じ場所、同じ展示方法で硬直化しており、リピーターを獲得するのはなかなか困難と感じるところであります。開館以来一五年が経過しており、より思い切った取り組みを求めるものであります。例えば、区有施設での展示や博物館・文学館と美術館が一体的な企画で、相乗効果を狙うなど攻めの姿勢を持つ運営を期待するものです。そこで区長に質問致します。新年度より両館を一体化して運営致しますが意図するところをお尋ねします。又両館では、現有職員の身分がそれぞれ違うと認識しますが、現有職員を含めた職員体制について伺います。

 次に、学校長寿命化計画における三十人学級を見据えた方向について教育長に質問致します。学校施設の長寿命化計画については、我が会派の定例会代表質問において再三質問し、その進捗について注視して参りました。本計画策定は、区立小・中学校二十六校、幼稚園五園のうち、旧耐震基準(一九八一年以前の建築)の建物が延べ床面積で70.8%(五四棟)を占めており、老朽化対策が喫緊の課題と位置づけ、この課題解消の為、策定するものであります。更に言えば昨年も述べましたが、文部科学省において、令和三年度以降の交付金事業は、長寿命化計画の策定を事業申請の前提条件にしている事から全国の自治体が今年度中の事業策定を目指しているのであります。にもかかわらず、日本共産党会派の第四回定例会特集のチラシでは、「学校統廃合。民間による管理は許せません」との見出しで、「素案では、学校統廃合や図書館、運動場プールなどを区民施設として供用、民間資金による建て替え・管理まで検討されています。」との衝撃的な文面の横には、「統廃合や学区変更の検討対象となっている地域と学校」とし具体的な校名まで七校も掲載しているではありませんか。更にご丁寧に小見出しとして、「統廃合より三十人学級を」と続けています。

こうした区民を教唆煽動する事に心の底から怒りが沸いてきます。公党としての品格を疑うものであります。今この場で、何時、誰が、どこで決定したのかこの会派に問いただしたいくらいであります。我が会派は、この会派が述べているように、三十人学級を否定しませんし、推進すべきと考えております。ただし、決定的な違いは、学校施設長寿命化計画を策定し、区民皆様とともに、学校のあるべき姿、未来像を共有して計画を進め、その先に安全・安心な学習環境を整備した上ではじめて、三十人学級は実現可能となるものと理解しております。ここで示唆に富んだコラムを紹介したいと存じます。渋谷本町学園だよりの斉藤校長が書かれたコラムです。「元々、お箸は全て割り箸と呼ばれていました。ヒノキやスギの枝、竹などを割って作った箸だからです。江戸で大繁盛しているうなぎ屋がありました。その事を妬んだ同業者が「あの店は箸が汚い」という噂を流しました。その噂が広がってお客が減ってしまい、主人は困ったあげく自分に出来る事はないかと知恵を絞り、割って使う形の使い捨ての「引き裂き箸」を考え出しました。これがきれい好きな日本人に受け、割り箸として定着したとされています。実社会では、いわれのない言いがかりで蹴落としたり、見えないところで偽装したりといったアンフェアな競争を仕掛けられる事があります。そういった場面に遭遇したら、相手に中止を促す手立てを講じる事が必要です。しかしいったん流布した噂を消去する事は不可能です。残された対策は箸が汚いという悪い噂を、箸がどこよりもきれいだという良い評判で書き換える事です。」といった内容であります。そこで教育長に悪しき噂を書き換えていただく為にも質問致します。本区は、「渋谷区立学校の在り方検討委員会」を設置して、将来を見据えた「学校施設の目指すべき姿」を議論している事を踏まえ、今後の学校の未来像と目指す教育行政についてその意図するところ又御決意を伺います。

 次に、本町学園第二グラウンド内に整備する幼保一元化施設に関して区長に質問致します。平成三〇年第二回定例会で我が会派から本町地区の諸課題に関する質問に対する答弁で、区長が初めて渋谷本町学園第二グラウンド体育館の建て替えについて言及し、その際「渋谷本町学園第二グラウンド体育館の建て替えに合わせ、本町出張所・区民会館等の公共施設を集約し、これらの跡地を防災強化に資する種地としての活用を研究するなど、これらの諸課題を解決するためのプロジェクトを立ち上げ、早期に検討を始めてまいります。」と述べられ、その後の渋谷本町学園第二グラウンド体育館の建て替えについては、令和二年十二月八日からプロポーザルによる基本設計の公募がなされ、その中には、保育・幼児教育施設も含まれていると承知しています。かつては、未就学の子どもを預ける施設と言えば、幼稚園か保育園でしたが、平成一八年に認定こども園の制度が始まり、選択肢が増えました。釈迦に説法となりますが、幼稚園は文部科学省が管轄する「学校」で、保育園は厚生労働省が管轄する「児童福祉施設」と区別されています。そして認定こども園は、園によって学校タイプや児童福祉施設タイプ、その両方のタイプがありますが、内閣府が管轄し文部科学省や厚生労働省とも連携しております。そこで区長に質問致します。現在示された、渋谷本町学園第二グラウンド体育館内の機能としては、前述した保育・幼児教育施設との記載がありますが、その運営形態についてはどのように考えているのでしょうか。又その運営形態を選択した場合のメリット、加えて当該園の運営上の特色なども併せてお聞かせ下さい。

 次に運営形態にかかわらず、教育委員会の関与について質問致します。幼稚園は、教育機関である事が大きなメリットです。他方、認定こども園のメリットは、一つ目は「幅の広い交流ができる」事が挙げられます。具体的には、保育所や幼稚園の場合、同じ年齢の子ども達を一つのグループとして扱いますが、認定こども園では〇歳から就学前までの幅広い年齢の子どもがいますので、異なる年齢の子ども達を一緒に過ごさせる環境を作り出す事が出来ます。同じ年齢の子どもとだけの交流と違い、様々な刺激や経験を得る事が社会性の獲得など教育上良い事は論を待ちません。二つ目は「積極的な幼児教育」が挙げられると考えます。三歳から五歳までの幼児を対象に一日約四時間の教育時間というものが設定されており、いわゆる習字や水泳などの教育をその時間で行う事が出来るので、保護者にとっては、魅力的な環境と言える事が出来ます。すなわち、認定こども園は、教育的なカリキュラムを早い段階から開始できるという事であります。本区では、平成二三年に策定した「幼児教育プログラム」をバージョンアップさせた「就学前教育プログラム」を昨年策定しました。本プログラムの意図するところは、小学校入学前の子ども達を広く対象とした事を明確化し、就学前教育と小学校教育との接続を一層強化した事であります。園種や設置形態の別に拠らず、公私立の幼稚園、保育園、認定こども園、さらには区立小学校の先生などの関係者が協力して作り上げた成果物であります。本プログラムを積極的に利活用する為には、単に区立幼稚園だけにとどまらず、認定こども園を含め、あらゆる園種の運営に大局的見地より教育委員会が積極的に関与し、オーソライズされた教育行政を行う必要があると考えますが、教育長の所見を伺います。

 次に本町学園みどりの丘の活用について区長並びに教育長に伺います。昨年の第一回定例会において私は、児童・生徒の増加に伴う渋谷本町学園の施設整備について質問し、その対応策として、本町学園みどりの丘の活用を検討すべきと申し上げました。区長から「検討を進める」との力強いご答弁がありました。私もその後様々研究し一定条件のもと活用が可能ではないかと考えているところであります。昨年の繰り返しになり恐縮ですが、整理すると当該公園は、防災の種地として、住宅市街地総合整備事業を活用した国の補助金を得て取得されたものであります。従って交付目的以外の使用は出来ませんが、「一〇年経過した地方公共団体所有の補助対象財産については、原則、報告等で国の承認があったものとみなし、用途・譲渡先を問わず、国庫納付を求めない」と規定されており、当該地が供用開始後一〇年を迎えるのが令和四年四月であります。さらに、本区の児童・生徒数は近年増加傾向にあります。特に児童における増加傾向は顕著であり、区内唯一の小中一貫教育校である渋谷本町学園は、平成二四年度の開校以来義務教育九年間を見通した教育活動を行い、多くの児童・生徒達が学ぶ学び舎であります。いずれも五月一日現在の在籍数を比較しますと二四年度は五百三十二名、今年度は、八百四名となり、小学校入学生が開校以来初めて四学級となった現状であります。

他方、当該地を取得した目的である、防災上木造密集地域解消は、道半ばであり、その目的は解消してはおりません。従って学校として整備する事に対して、住民の理解を得る事が必要であると考えます。今回新年度予算では、本町学園みどりの丘における設計費が計上されている事からこの課題がクリアされると理解するものであります。そこで区長に質問致します。本町学園みどりの丘の活用について区長の所見を伺います。

 また、この公園に於ける建物設計の予算が計上されている事は前述したとおりであります。その内容について現時点での考えを教育長に伺います。

 最後に、スポーツ支援に関する法人設立について区長に質問致します。幸福で豊かな人生は、区民の誰もが願う事であり、健康はその実現の為に欠かせないものであります。区民皆様が、幼年期から高齢期に至るまで、ライフステージに応じて、健康目標を設定し、それを意識しながら、気軽にスポーツに親しむ事が出来る環境整備を行い、スポーツやレクリエーション活動を通じて、心身共に健康で豊かな生活を送る事が出来る「生涯スポーツ社会」の実現が求められ、この事は、平成二八年に策定された渋谷区基本構想の理念とも合致するものであります。スポーツやレクリエーション活動に関しては、従来から体育協会を始めとした多くの団体が重要な役割を果たしてきましたが、区民全体を対象とした生涯スポーツという観点からそれぞれの目的や自主性を活かしつつも、更にこれらの団体の活動を発展させていく為、一層の効率性や柔軟性が求められるようになってきていると感じています。即ち生涯スポーツ振興を推進する為に、行政の信頼性・公平性を維持しつつ事業手法や財政面などにおいて、より柔軟な対応が出来、従来より、幅広い分野での事業が展開できる新たな仕組みを作る事が必要となっていると存じます。まさに今回、新年度から生涯学習・スポーツ振興部から区長直轄のスポーツ部とする組織改正の意図はここにあるものと思料するものであります。

 他方、三〇年前と比べて、日本の未来を担う子どもの体力は低下傾向にあるとともに、活動場所の課題と相まって、子どもの体力の低下や運動をする・しないの二極化現象があると承知しております。小さい頃より体を動かす習慣を身につけておく事が、その後大きく影響するものと考えます。即ち、体育の授業はもちろんのこと部活動において、身体を動かし体力を増進することが大切であります。しかし一方では、教員の働き方改革の視点も重要です。教育委員会では、平成三〇年に「渋谷区教育委員会渋谷区立中学校に係る運動部活動の方針」を策定し、部活動指導の長時間化の改善を進める事で、教員の心身の健康保持増進と、心身共に健康な子ども達の育成に努める必要があるとしています。文教委員会でも報告があったように区独自の教員勤務実態調査を見ると推計値であるものの、国のガイドラインで示している一ヶ月あたりの勤務時間外の在校時間四五時間を大幅に超える教員が多いという状況下、教員の働き方改革は、焦眉の急を要する課題であります。昨年の代表質問でも述べましたが、「かつて教育実習に行った学生は、教師になることへの想いを一層強めたが、現在の学生は、教育実習に行くと学校現場の教員の多忙ぶりを目の当たりにして、教師の憧れは失せる」との話もあるとの事です。このまま教員を志望する学生の減少が更に加速すれば、教員の質や良い人材確保にも多大な影響を与えかねない状況であります。私は教員の本分は、質の高い授業とクラス経営だと思っています。だとするならば、それ以外に割かれる校務を洗い出し負担軽減策を講じる必要があると強く感じるところであります。区長発言の繰り返しになり恐縮ですが、こうした中、文部科学省は、昨年九月一日、学校における働き方改革推進本部において、地域部活動の方針を打ち出したのであります。令和五年度以降、休日の部活動を段階的に地域移行していき、休日の部活動は地域に任せ、教員の負担を軽減するというものです。現行の学習指導要領における部活動に関する記述を見ますと「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するもの」あるいは、「学校教育の一環として、教育課程との関連が図れるように留意すること。」とする方針を大きく転換するものであります。そこで区長に質問致します。区長直轄のスポーツ部設置後、手がける事業として、区長発言では、「部活動を支援し、改革していく施策について調査・研究を行う専門委員を配置し、着実に部活動改革を推進してまいります。」と発言されました。そうであるならば、部活動の地域への移行をにらみながら、子ども達に体を動かす機会の提供とともに、教員の働き方改革を推進していく観点より、部活動を運営・企画するとともに、実践していく法人を区独自に設立する考えはないか区長の見解を求めます。そして将来的には、単に部活動の人材提供のみならず、いずれは、区内のあらゆるスポーツ・レクリエーション活動をしている団体と協働して、「生涯スポーツ社会」実現の推進力としての役割をも担えるような法人としていただきたいと考えますが区長の所見を伺います。

 只今、区長並びに教育長より、私の意図するところをそれぞれお酌み取り頂き、前向きなご答弁を頂戴しましたので、あえて各項目の所感については、この場では、申し上げません。しかしただ一点のみ感想を申し上げます。本町学園みどりの丘です。区長・教育長のご答弁を聞いて、万感胸に迫る想いでありました。過去にも触れましたが、当該地は地権者の方々が校地拡張の為、本区に申し入れたのが発端でした。それから一〇年の月日を要してようやく教育資源としての活用が本格化しました。当時の区長・教育長は、当該校が必ずや本区のフラッグシップ校となり多くの児童・生徒が選択希望する学び舎になるとの確信をお持ちでした。そうであるからこそ我が会派を始め多くの会派が応援して参りました。しかし当時、統廃合反対のむしろ旗を立てた会派関係者があろうことか、本町祭りが当該校で開催された際、校地の中に入り反対の署名活動を行い、指摘されると校門の前に移動して行ったのであります。あえて会派関係者と申し上げたのは、今現在この議場で議員として活動しているからであります。にもかかわらず、当該校の折り目節目の折りに、笑顔で「おめでとうございます。」という姿に、怒りを通り越して、哀れさすら覚えるものであります。今回、同じ愚行を又犯そうとしております。教育長のご答弁にもありました。三十人学級を見据えた新しい時代の学びを実現する為には、これまでの固定化されてきた学びの概念を見直し、学校施設を含めた教育そのものを変える必要があると。常に論ずべきは、教育環境の向上の観点から審議すべきと。

 私は、あえてケインズの言う野心的意欲即ち「アニマルスピリット」を持ち、こうした会派と対峙するとともに、「こう思う」「こうすべきだ」という考えを明快に表明する気概を持って区政に臨むことをお誓いし質問を終了します。ありがとうございました。

丸山 たかし





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